お釈迦様に見守られ、季節の彩りがもてなす空間。

丙申堂より約50m北側に位置する無量光苑 釈迦堂(むりょうこうえん しゃかどう)。主にお客様の接待に使われました。
木造二階建て、妻入、入母屋造、銅板葺、非常に良質な杉材を使用した数寄屋風建築。構造や意匠に優れ、別邸建築を考える上で貴重な資料であるとして、平成14年2月、国の登録有形文化財に指定されました。

「無量光」の額

この建物には創建時より「無量光」(黄檗宗の三筆と称せられた木庵の書)を掲げていました。そこから八代目当主が建物と庭園を含めて「無量光苑」と名付けました。
そして、九代目当主が東京帝国大学印度哲学学科・常盤大乗師より寄贈された石仏釋迦像を安置し、現在の建造物および庭園を含めて「無量光苑 釈迦堂」と命名しました。

釘隠し

長げし(なげし)などに打った釘の頭部を隠すための装飾です。日本の伝統的なモチーフ、飛鶴、桐の葉、花菱、四方花菱、オモダカ、桐、折鶴がかたどられていますので、お部屋をまわって探してみてください。

狆くぐり

大正2年の初夏、丙申堂の狆くぐりを造った周亭の仲間である稲垣八良が手がけました。

古の心、四季の香と
心地よきひとときを過ごす。

敷地820坪、建坪24坪、広さ2700平方メートルの日本庭園が特徴です。 樹齢200年を超えるソメイヨシノ、山桜、枝垂桜。5月の見事なツツジやこの庭園のシンボルのひとつとなる花梨など、数十種類の草花が季節ごとに移り変わり、おもてなしに色を添えています。